発つ鳥あとを濁さず

帰国の飛行機の日にちを一日早く勘違いし、ホノルル空港で立ち往生。
残りの所持金わずか7ドル。プアーなわたしにクレジットカードなどありもしない。直ちに日本の家族へと国際電話し、運よく家にいた義姉に手短に訳を話す。

いつもはとろい姉が、このときばかりは頑張ってくれた。奇跡的なほどの機転と能力を発揮して、ダウンタウンのハワイ銀行まで送金の手続きをとってくれた。
「非常時扱い」にて、大使館経由の受け取りで手配されるとのこと。最初に行くべきは大使館か?いやいや、それより宿泊先を確保しなければならない。

貴重な現金でバスに乗ると、今朝まで宿泊していた粗末な安ホテルへと戻った。
若干顔見知りとなっていたスタッフをフロントで発見。慌てて空港でのいきさつを告げ、もう一泊したい旨を告げる。

OK, OK! No problem !!
スタッフは、わたしの貧弱な英語力を理解できなかったのか、事態へのリアクションに困ったのか。いずれにせよ、適当な相槌を適当に打つと、今朝までいた部屋へと案内してくれた。
流石はハワイ!イージーやねとホッとする。

室内の清掃は、今からだったんだよね~(笑)と、文字通り笑ってごまかすスタッフ。

これがまた不幸中の幸いと転じた。

6連泊して今朝チェックアウトしたその部屋は、手狭とはいえキチネット付き。
食費節約と同時に滞在気分を味わうべく、わたしはアラモアナ・ショッピングセンターのグロッサリーで、食パンやマグロのお惣菜といったものを買い込み、食料としていた。
その残骸が、わずかばかりとはいえ清掃前の部屋に、まだ残っていたのだった。

人生初でしょう……。片づけられないこの性質が福と転じたのは…。
「発つ鳥あとを濁さず」
これを訓示に生きてきたわたしだったはずが……。

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